2015年
5月
07日
木
当社事業でご紹介している実践テーマ「コトづくりのデザイン」は、『サービスデザイン』の手法を取り入れた活動のことです。サービスデザインとは・・・(以下、ウィキペディアから抜粋)
「サービスの質と、サービス提供者と顧客の間のインタラクションの改善を目的として、人・インフラ・コミュニケーション、そしてサービスを構成する有形の要素をプランニングし、まとめあげる活動である。多くの観察をまとめて、スケッチやサービスプロトタイプなどで、コンセプトやアイデアを視覚的に表現する。」
「アプローチ方法は、
・他の人に見えず、まだ存在していないリューションを視覚化し、表現し、振り付ける
・ニーズと行動を観察、解釈し、実現可能な未来のサービスへ変換する
・経験を言語化し、デザインの品質を表現、評価する
・狙いは、サービスを有用で便利で、魅力的で、効果的で、効率的なものにすること
・成功の鍵として、顧客経験とサービスとの接点の質に焦点を当てる」
弊社ではこのコンセプトに基づいて活動展開します。
ビジネス全体を「サービス」とみなし、『行動観察』『顧客経験』から、隠れているかつてない価値を発見し、そこから発想して仮説を立て、プロトタイプ制作とその検証へ導きます。
2013年
4月
14日
日
論理思考を活用しながら、改めて2軸マトリックスのことをいろいろ考えてみました。
2軸マトリックスは、いわゆる「ポジショニング」を考えることなので、現状分析に使えます。また対象となるものの位置づけを他と比較したり、現在の位置から今後のことを考える流れや戦略を想定することにも役立ちます。
使い方によっては非常に強力なツールで、資料やプレゼンテーションに差をつけるのに有効です。
縦軸と横軸をクロスさせて、物事を4分割で考えることは、やってみると、とてもシンプルで取り組みやすいものです。
PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)やSWOTも4つの事象で分けて戦略を考えていきます。
キャッシュフロー・クワドラントと呼ばれて、かつて話題になった図があります。これも4分割の枠組みで、働き方やお金を稼ぐことをシンプルに表現していました。
視覚的に表現や説明がうまくできるため、説得力が増すことがよく分かります。自身の頭の中もきれいに整理できるでしょう。
このマトリックスを利用するとき、まず最初に考えるのが、縦軸と横軸を何の項目にするかということです。つまり評価基準のことですが、ビジネスの世界では定量的、定性的な項目が思い浮かびます。
価格やコストが高い、安い、品質が良い、悪い、など様々です。高い・低い、多い・少ない、大きい・小さいなど、対比できる項目なら大抵当てはめることができます。また定量項目と定性項目の組み合わせもあります。
しかし、選択する項目によって対象の「ポジション」が変わるので、表現や印象が左右されます。
何回も使いながら慣れてくると、項目の選択がうまくなってくるでしょう。結果的に「重要なこと×急ぎのこと」を考慮すれば、かなり精度の高いマトリックスが描けるのではないでしょうか。
これは優先度を決める4分割(急ぐ・急がない・重要・重要でない)を指針として活用するということです。
補足ですが、一般的にグラフというのは、左や下がマイナス、右や上がプラスを表します。2軸マトリックスを定量項目で表すときは、それに合わせる方が違和感がないでしょう。
世の中や頭の中を「4分割する」のは不思議で面白いものです。
2012年
10月
09日
火
中小企業のものづくりをいろいろな角度で論じていると、結構当たり前のように「イノベーション」「創造性」という言葉が出てきます。
言うは易しで、何か新しいことや大きなチャレンジを表現する時にはその言葉がスマートな印象を与えます。しかし具体的な施策は様々で容易ではなく、正解を見つけるのは非常に難しいことです。
日本のように既に成熟した社会では、モノを作って、いかに顧客にアプローチし、消費者やユーザーに届けるかは、単純ではなく複雑化かつ多様化しています。人々の「選別する」目や「購入する」心理が一筋縄では把握できなくなっているのです。またインターネットを通じて根本的な部分(情報、距離、価格、経験など)が大きく変化している状況もあります。
自身のテーマのひとつに「マーケティング」がありますが、そもそもマーケティングとは「需要を創造し市場のニーズと企業の製品を効果的に結びつける活動」です。そしてこの「需要を創造し」というところに「人の心(心理)を動かすもの」が介在するのだと考えています。
しかしポイントは、マーケティング分野だけに限ったことではありません。製品を企画、開発、製造していく段階から関係しており、自身の基幹業務系ソフトウェアの経験を通じて長年取り組んできた、スピード、効率化、コスト削減、改善といった施策もこれにつながってきます。もっと遡ればその企業がなぜ存在するのかという、企業理念から始まっているのだと思います。
こういう一連のストーリーの中にひとつの大きな要素が潜んでいる、それが「デザイン/アート」のセンスであると思うのです。「人の心を動かすもの」だと思うのです。しかし「見せ方」や「見える部分」だけのことではありません。
私のコンセプトであり提案は、それを企業理念から結び付けて、顧客ニーズと企業が蓄積してきた知識・ノウハウをインプットとし、一方で「デザイン/アート」をウェイトの高い重要指針の一つとしてこれに加味し、「思考」というツールを使って、いままでにない「オドロキ」や「感動」のあるモノをつくっていくということなのです。そしてその結果「イノベーション」が生まれてくると信じています。
これらは柔軟な思考をお持ちで、迅速な動きのできる「中小企業の経営者の方」こそ、是非指向していただきたい、実践していただきたいと強く思います。或いは事業後継に直面し、自社をあらたに継承し牽引される、「若々しく鋭い感覚をお持ちの経営者の方」にお奨めしたいと思うのです。
私はこのコンセプトを「知識デザイン経営」と呼ぶことにし、企業における一連の考え方や流れ、活動や管理を総合的に構築することを提言しています。
引き続きその内容や活動のお話をしながら、輝きを取り戻すための「ストーリー」をご紹介していきたいと思います。
2012年
3月
05日
月
2月24-25日に開催された「たま工業交流会」(東京・昭島市にて)を訪問した時のコメントの続きです。
引き続き各社の『知』について考え、自身のテーマである「知の差異構築」の観点で振返ってみました。あくまで個人的なコメントですが紹介します。(*各社様とビジネス等の関係はありません)
■株式会社ハイテック www.hitech-jp.com
<紹介>光学関連機器を製造、販売されています。今回見せていただいたのは、LEDを使ったサインボードやブラックボード、コード状になった商品などです。自社技術とアイデアがうまく形になり、赤外線を使ったデータ入力など使い勝手もよく考えてあります。(ちなみに私の地元の企業様でした)
<個人的な思考>エコの代表であるLEDによる商品や光を使う技術の発展、拡張は無限のものがあると考えます。それは人の生活や感情に訴える要素が大きいからです。例えばより細かい光り方の工夫、2層、3層にした立体感のあるボードやタッチ機能など・・・とても興味深いです。
■株式会社三光電機 www.sanko3.com
<紹介>電源、節電、LEDが提供製品のキーワードになっています。興味深いのは食用油濾過装置。これもエコや安全という今時の必須機能を持つ製品です。全て人の生活、社会的な責任、環境、経費削減などを担う、優れたノウハウと技術が形になっています。
<個人的な思考>自身のテーマに必須である「経営+知+経済性」が浸透している感じを受けました。これに加え社会性、視覚性、感情や人間性、アート性など会社の理念をよりデザイン化するとどうなるだろう、と思考が大いに活性化されるビジネスです。
■ムーグアニマティクス日本事務所 www.animatics.jp
<紹介>サーボモータを中心にした関連商品を日本事務所として取り扱われています。見せていただいたモータと直動システムの組み合わせは、確かに技術と精度が要の優れた製品と感じられます。個々のお客様の固有ニーズにも本国と共同で対応できるとお話されていました。
<個人的な思考>小型のモーターは人の見えない部分で機器の動きを支える基幹技術です。工業以外にも人の生活への適用範囲や貢献度が高く広く、アイデア次第で意外な用途が考えられる製品です。また他のものとの「組み合わせ」により力を発揮する製品ですから、デザイン思考の意欲をかなりそそられます。
■株式会社東光工業 www.tokoh.jp
<紹介>工業用、商業用の優れた印刷技術をお持ちです。印刷は今や紙やフィルムに限らず、あらゆる特殊印刷が求められ、インク自体の機能性、安全性、経済性も重要です。電機、電子、機械から、教育、製薬、アミューズメント面の印刷や加工まで行われています。
<個人的な思考>自身が出版業界のコンサルティング経験もあり、「印刷」というニーズや用途自体が発想次第で膨大に拡がると実感しています。テーマとしている人間中心のものづくりや、人の感情にアピールすること、視覚性、アート性そのものにつながる非常に興味ある分野と技術であると、改めて感じました。
■株式会社ミューロン www.myu-loon.co.jp
<紹介>展示用模型、ロボット、撮影用ミニチュア、特撮機材などを開発、制作されています。映画や展示場で使用される作品なので身近ではありますが、非常に特殊な技術や社員の方の感性が必要だ感じました。
<個人的な思考>こういうビジネスこそ「経営+デザイン/アート」という自身のテーマそのものなので、どこからどう捉えるか、思考が広がりすぎました。いろいろ実績を持たれている映画等以外にも、生活、人生、社会など、その「知」をマッチングできる場が限りなくありそうで、ビジネス内容をお聞きしながら嬉しくなってしまいました。
2012年
2月
26日
日
2月24-25日に開催された「たま工業交流会」(東京・昭島市の東京都立多摩職業能力開発センターにて)を訪ねてみました。多くの地元技術とそれに関わる方の熱意を直に感じて、思考が大いに活性化されました。各ブースで会話させていただいた方々に御礼申し上げます。
後で、各社の『知』(固有技術やノウハウ)について自分なりに考え、自身のテーマである「知の差異構築」の観点や水平思考で振返ってみました。「気になる」会社についてあくまで個人的なコメントですが紹介します。(*各社様とビジネス等の関係はありません、念のため)
■株式会社米山製作所 www.yoneyama.co.jp
<紹介>ウォータージェット加工がウリの技術の一つです。ウォータージェットについては既に知っていましたが、改めてお話を聴きながらその「知」について感動しました。「水」を道具として使う環境面の特徴、金属や石材もカットできるというオドロキなど多くの強みをお持ちです。
<個人的な思考>この技術で水以外の液体、粒子、気体でもカットできるか、入り組んだ奥の特定場所だけをカットできるか、一気に特定の形にカットできるか、逆に吸い込む力は活用できないか・・・
■ジオメトリシステムズ株式会社 www.geometrysystems.co.jp
<紹介>モバイル・バーチャル電子黒板や専用プロジェクターなど優れもののセット商品です。プロジェクターで映したスクリーンや壁の画像、動画に専用ペンで文字や絵を書ける、マウスのように画面操作ができる、書き込んだ映像そのものを記録できるなど。場への適用性がとても優れています。
<個人的な思考>用途の多様性や潜在的な可能性に思わず思考全開になってしまいました。更なる新アイデアや反射など工夫して、正面の人を迂回する画面とセンサーのコントロールができないか、ビジネス以外にも「人」の生活や行動により深く入り込んだ適用として、公共、福祉、医療、教育、家庭での様々なニーズが取り込めるのでは・・・
■ヒューマンテクノス株式会社 www.humantechnos.com
<紹介>卓上型ロボットやそれに関連する産業用機械を開発されています。今回見せていただいたのは取引先であるダイドー株式会社と一緒にFANUCのロボットでカプセル剤を掴んでは薬瓶に詰め込む作業の自動化で、技術の汎用性と拡がりがうかがえる優れものでした。
<個人的な思考>用途がたくさんありすぎ、発想とデザイン次第で展開が自在。できれば工業用以外に「人」の生活を考えて、公共、福祉、医療、教育、家庭での様々なシーンやストーリーへより多く適用されることに期待・・・
■株式会社ヤマテック www.yama-tech.com
<紹介>金属と金属の接合が得意とされ、接合面が剥離することなく、複雑な形状も実現できる高度なノウハウと技術をお持ちです。原子レベルでの拡散による「拡散接合(熱圧着)」というそうです。
<個人的な思考>あまりに驚異的で理解困難な技術であったため、この「知」の本質がどこにどうあるのか、いまだ悩みと「?」の継続中、「金属」が完璧にくっつくというストーリーにいつか意外なヒラメキが生まれるか・・・
■株式会社マクロス www.macros-cad.co.jp
<紹介>2次元、3次元CAD/CAM製品を専門に取り扱われています。この世界はモノと情報を橋渡しして統合する、まさに「知」を具現化し構築するために欠かせない分野で、そのノウハウをたくさんお持ちです。
<個人的な思考>人が頭で発想したりイメージしたものが、即時にこういうツールで自在に形になったりするとどうか、加工能力がセットになって、ロボットが自分で見たものをすぐに製造してしまうとか・・・
会社のHP内に3次元CAD/CAMの「Art」機能があり、それに大きな関心! 自己テーマとしている、ものづくりとアートの融合がすでに実現でき、その適用範囲と拡がりに大きな期待・・・
2012年
2月
23日
木
名前は聞いたことがあったのですが、新たにその知識をインプットする機会があり、ここに書き留めておきました。
自身のテーマである「デザイン思考」に関して手にした書籍『マインドマップ デザイン思考の仕事術/木全 賢、松岡克政 著、PHP新書 2010』を参考にしています。
マインドマップは公式サイト(www.mindmap.or.jp)をご覧になると一目瞭然のように、思考の過程を木の根っこ、或いは枝のように紙面に自在に書き出していくものです。英国の教育者トニーブザンが開発しました。
まず一つの主題があり、そこから自身の思考のままに、大きく枝分かれし、次々とつながりが分岐して、細かい項目へ広がっていきます。その手法についてはここで述べませんが、人が考え出すことを見える化し、そこから自分では気が付かなかった「新しい考えや観点」などを浮かび上がらせる効果のある、非常によくできたツールだと思います。
実は自身も机の上にいつもA4版の無地のメモパッドを置いており、自由に思考したいとき、そこへ2Bの鉛筆で好きなように書き出すことにしています。字や絵、記号、線など書いているとあっという間に広がっていっぱいになります。
マインドマップはそれと同様です。ただ個人的には根っこのような図(或いは脳の中でシナプスが次々連結していくような図)は、いくら色を付けたり飾ったり しても絵的に好みではないかな・・・ 書籍からの引用ですが、「マインドマップは文章と図表の中間生成物」といえるもので、確かに自由にアウトプットするとこれが自然なのかもしれません。
別の点で気になったのは、草木の根と同様に、基本的に元から次々分かれていき、それが違う根とはつながったりはしません。(ただ相互につなぐのは自由で、同期というような線を引けばよいだけですが)実際に自分でメモパッドに書き出していると、あちこちの部分につながりが出てきます。
感心することは、マインドマップは、つながりがベースになったネットワークから新たな気づきを見出すことであるという点です。人はあらゆるものを頭の中でつないで考えることができます。そして過去の経験や知識をつなぎながら、新しいものを創造することができます。
この「ネットワーク」は、現在自身の仕事としている経営管理やものづくりにおいて、最近非常に気になっている言葉です。目新しい言葉ではありませんが、時代が「情報革命」と言うように大きく変わり、市場も生活も人々も明らかに変化しています。80年代以降に生まれたデジタルネイティブの若い人たちは、生き方や活動のベースになっているのが、固有のグループやネットワークのつながりなのです。昔のように特定の会社組織に所属すること、その中でのつながりという意識とは異なっています。
これからのビジネスやものづくりは、きっとこのようなネットワーク(つながり)から新しいものが生まれ、「人間」とその「知」がキーワードになると信じています。
そしてマインドマップのように「知」を見える化し再構築する「思考のしくみ」が非常に重要であると考えています。
2012年
2月
20日
月
新たに事業用のホームページを公開した記念に「お気に入りのことば」を載せました。あえて、どのページからでも見れるようにしました。
これは、何年も前にある勉強会で教えてもらったことばですが、ずっと頭の中に生き続けていて、何かにチャレンジする時とか、やるかやらないか判断に迷った時などに、いつも現れてくるのです。どれだけ自身の思考の支えになったことか。
直接経営コンサルティングに繋がらないかもしれませんが、これを見ていただいた方にも、何か「気になる」とか「気づき」があれば幸いです。